-IT×患者安全×転職-

シンポジウム開催の趣旨

1999年、合衆国での医療過誤による死亡が9万人弱発生と推測されると報告され、世界に衝撃が走り、2016年には合衆国での死亡原因の第3位は医療過誤で25万人の死亡者数とされています。
今世紀の医療者の課題は、患者安全であると様々な世界の医学学会、そして世界保健機関(WHO)も明示しています。
そして、世界の各地域では、医学会・市民団体を中心として、患者安全活動が進められています。
患者安全の重要性については、フェイスブック(https://goo.gl/r2BeBF)ご参照下さい。
日本政府は2015年から医療事故調査制度を開始して、医療安全を改善しようとしていますが、その成果は未だに明らかではありません。
私は、2015年3月に患者安全組織文化学習支援財団を設立し、患者安全活動を実践していますが、この活動は実際には医療機関での受け入れは良好ではありません。
この状況を考察するに、医療者にとって、患者安全への取組は、医療過誤当事者や関係者の過ちを暴露され、その修正やときに組織外への公開を迫られる辛い事象であり、積極的な活動には至りにくい性質があると私は見極めました。
人も組織もその失敗をさらけ出して、変化すること対して強い抵抗、いわゆる変化への免疫(imunity to change)があり、失敗改善は非常に難しいことがよく知られています(参照:『なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流
自己変革の理論と実践』(英治出版))。
しかし、その一方で、発達心理学の知見に基づき、人や組織が発達しながら変化する方略は明らかになってきました(参照『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる』(英治出版))。
また、最近の安全理論の進歩から、かつての事故がないことが安全とする定義に基づく安全活動よりも、良いパフォーマンスを増やして安全を促進する理論展開も始まってます(参照『Safety‐1
& Safety‐2―安全マネジメントの過去と未来』(海文堂出版))。
従って、いわゆる事故減らしではなく、医療者がこれらの知見を応用しながら、人として成長・発展しながら、患者安全を促進出来る可能性は高いと、私は考えています。
また、最近のテクノロジーの進歩により、雇用の未来は現状と大きく異なることが予想されており、医療者の業務の変化も推測されます。医療での活躍の場が制限される医療者が発生してもおかしくない状況変化を医療者が乗り越える必要があります。
医療職は元来、とても安定した資格をもつ職種のため、転職するなどという発想は持ち得ないほどの職業観を持っていますが、この安定した資格が揺らぐ時代が訪れます。
そのときに、改めて、自分の才能を見いだし、その才能を開花させ、幸せに生きるためには、今から準備しても早すぎることはないと、私は考えます。
上述の患者安全活動と、テクノロジー進化に伴う医療職の不安定さへの鍵として共通するのは、医療職の皆さんの能力開発といえます。
私は患者安全財団の活動をつうじて、患者安全に限らず、医療に関わる方々の医療に留まらない発展を支援する活動に取り組みたいと考えております。
具体的には、上記の書籍に示された、個人及び組織の発展支援のためのツールを用いながら、その個人や組織の変化を見守り、将来、患者安全での改善や、その医療者個人の発展を確認する活動を行う計画を立案しています。
患者安全組織文化学習支援財団
代表理事 松本 尚浩

お申込フォーム

ご参加を希望のかたは、下記のフォームにご入力のうえ、送信してください。
お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
- お申込み時にご登録いただく個人情報は、受付対応など、本シンポジウムの運営を利用目的として、 主催者である株式会社リクルートキャリアに提供いたします。
- また、本シンポジウムにおいては、リクルートキャリア株式会社、各講演者、ならびに協賛の株式会社プラメドにおいて、 個人が特定されない範囲で、シンポジウムの模様を写真撮影をさせていただき、イベント報告等を目的に ホームページやSNS等で使用させていただく場合がございます。
お申込受付は終了しました。

尚、患者安全と医療者の能力開発に関するプレゼンテーションとして、以下ご参照ください。
開催概要
【日時】2018年3月24日 土曜日 14:00~17:00
【場所】東京都千代田区丸の内1-9-2 (株)リクルートキャリア内
【参加費】無料
【主催】(株)リクルートキャリア
【共催】全日本患者安全組織文化学習支援財団、(株)プラメド
【シンポジスト・ワークショップファシリテータ】
田澤雄基 (MIZENクリニック豊洲)
松本尚浩 (医療法人尚誠会笑顔のおうちクリニック松戸)
増間大樹 (㈱リクルートキャリア・マネジャー)